『カルテット』最終回でも未だ残る謎や噂と最高に深い脚本に感謝

『カルテット』8話・9話・最終回をリピ見してのネタバレ感想と私の考察

死と乙女”を選曲したマキさんに対して、いろんな説が出ていますよね。私の見解は一般的に定説とされているものとは違っています。白黒はっきりさせないこのグレーな感じの最終回には賛否両論ありますが、私はアリでした。

日本で数少ないオリジナルストーリーが書ける坂元裕二さんの脚本はさすがでした。やっぱり期待通り素晴らしかったです。

『Mother』『最高の離婚』『Woman』『問題のあるレストラン』『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』などなど、どれも大好きですが、今回の『カルテット』が一番夢中になりました。Blu-ray全巻セットが欲しいと久々に真剣に思ったドラマです。

いつかまたスペシャルドラマや続編で見た時の覚書の意味もあり、ココに私の考察をまとめておきたいと思います。

大人は嘘をつく【こぼれた真実は?】

よくあるドラマや、実社会においてもありがちですが、

「なんでも隠さず話してみなよ、私は何を聞いてもあなたのことを信じているから」

な~んて風なセリフを、もっともらしく力説しながら、相手の秘密を聞く場面ってありますよね。

『カルテット』では、最終回の最後までマキさん(松たか子さん)が義父の死にどう係っているかの真相が語られることはありませんでした。

でも…

ココからは私の考察


ツィッターなどで一般的になっている
(両想い説や病気説)

とは違う捉え方をしています。

再生を意味するコンサートで、“死と乙女”を選曲したマキさん。

「こぼれたのかな」「…ナイショね」
を言った時のセリフと表情を思い出してください。

このドラマは謎だらけと言われていますが、答えはココですね。

未必の故意(※確定的に犯罪を行おうとするのではないが、結果的に犯罪行為になっても かまわないと思って犯行に及ぶ際の容疑者の心理状態。)だったのかもしれないけれど。

マキさんは義父から逃げる時に、薬物などで本当に殺人を犯してしまったか、あるいは病気などで救助を必要としている状態を知りながら見捨てたのではないでしょうか。

“死と乙女”の選曲の理由を知りたくて

マキさんのこと疑っていた人、別の意味にとりそう…なんでこの曲にしたの?
というすずめチャンの疑問への答えとしても成り立っていると思います。

こう考える方が、あのシーンのマキさん(松たか子さん)とすずめチャン(満島ひかりさん)の表情の意味もしっくりくる。

鏡越しのあの強い視線…恋愛のこと語っているようには私には見えませんでした。

カルテットの脚本のスゴイところは、

「なんでも隠さず話してみなよ」

というような安っぽい展開にせずに、そこまでの最大級な秘密を本人はもちろん劇中でも語られることなく、それでも今のあなた(マキさん)を受け入れたいという人と人との強い関係性を描いていることです。

なんだかこの方が見ていてホッとすることができますよね。

大人は嘘をつく

人間長く生きていると失敗もするし、新しく出会った人には知られたくない黒歴史もあると思います。

でも、
未来に進むために必要でないなら、言いたくないことは言わなくても良いんだよね。

どんな不完全な人間でも、輝かしい過去なんてなくても、隠したい過去があっても、人間幸せに未来を夢見て生きて良いんだよ。そんな今のあなたのことを好きな人がきっといるから。

このドラマが、生きにくさを感じている人の背中をそっと押すような作品になったなら幸いです。

プロデューサーの佐野亜裕美さんが公式サイトのTwitterで最後に書かれていた言葉です。

これこそがこのドラマの最大テーマであり、それゆえに最終回の「まさか」は、マキさんの疑惑の真相に迫るモノであり、そのことを知っても尚、受け入れてもらえた瞬間をあのシーンで見せてもらえたのではないでしょうか。

生きにくさ=過去の自分とするならば、マキさんだけでなく、すずめチャン、別府くん(松田龍平さん)も家森さん(高橋一生さん)も、それぞれ秘密を抱えていましたが、このメンバーに会えて救われたような気がします。

基本、受け取る視聴者の想像に答えはゆだねられています。

どこまでも深いドラマですね。
アレコレ自分で考えたり、人の考察を読むのも本当に楽しかったです。

センキュー‼脚本家・坂元裕二さん

【前に進むために】自由を手にした僕らはグレー

一般的には、

両想い説


“死と乙女”は、”司(し)と(早)乙女”の意味で、マキさんも別府さんに恋している

が多いようですね。他にも、少数派で私と同じ意見や、病気説なんかもあるようです。

確かに、

任意同行の前夜、みんなの前で自分が本当は早乙女真紀ではなく山本あきこであることを語るシーン(※この時、リピ見して気づきましたが、マキさんの口からは本名も事実も語られていません。)を思い出してください。

言葉に詰まるマキさんに、すずめチャンが
ひとを好きになるって、勝手にこぼれるものでしょ。こぼれたものが嘘なわけないよ。

と言ってましたもんね。それを伏線とするならば…

  • “好きはこぼれるもの”
    →ここに注目すれば、両想い説もアリですし

  • “こぼれたものが嘘なわけない。”
    →ここだけに注目すれば、いろんな意味にとれます。

う~ん…

再生の意味で開催にこぎつけたコンサートだと思うしなぁ。
ココでは恋愛がらみの“ナイショ”よりも、このドラマで最大の嘘であり、謎なミステリー部分の答えとした方が面白いような…と、私はやはり思ってしまいます。

でも、それぞれ自分自身がドラマを見て感じたままの解釈でOKなのが『カルテット』の醍醐味。

なんてたって、
白黒つけるのは滅びの呪文…と主題歌の『おとなの掟』でも歌われていますし。

ああ白黒つけるのは恐ろしい 切実に生きればこそ

そう人生は長い 世界は広い

自由を手にした僕らはグレー

幸福になって不幸になって あわただしい

胸の裡だけが騒ぐ おとなは秘密を守る


『おとなの掟』Doughnuts Hole
作詞 作曲:椎名林檎 / 編曲:斎藤ネコ 椎名林檎
Vocal:松たか子 満島ひかり 松田龍平 高橋一生

ですもんね。
グレーだからこそ生きやすいこともある。

白黒つけるだけが正解ではなく、グレーなままでも人生はOKってことですよ。

胸の「裡(うち)」だけが騒ぐ

耳で聴いている時は「胸の内だけが騒ぐ」と思っていたのですが、歌詞を見ると「胸の裡」と書かれていることを知りました。

最初はいくつかのブログを見て、誤変換かな?と思っていたのですが、実は『カルテット』的には「裡」と表現するのが相応しいことが分かりました。理由は、その意味にあります。

裡(うち)

  • 「衣服の内側」、「すべての物の内側」
  • 「物体の、こちらからは見えない向こう側の面」、「背面」
  • 「物体の、下になっている面」
  • 「人の目にふれない面」(例:裏の顔)
  • 「隠されている事柄」
  • 「普通とは反対の事」、「逆」
  • 「中心ではない事」(例:裏番組、裏道)

すごい‼
深いですよね。ますます真相は闇の中、人生はグレー‼

【押さずに進んで行こう】人生やり直しスイッチ

人生は、

長く、世界は広く、そして幸福な時や不幸に思える時、登り坂・下り坂・まさかの連続。

でも、ドラクエのようなRPGみたいに、イヤになったからといってリセットし、うまくいってた地点にまで巻き戻すことはできません。

レモンをかけてしまった唐揚げは元の味には戻りませんし、家森さん(高橋一生さん)のように引き換え期限が過ぎてしまった6000万円も手に入りません。

『カルテット』の中で印象的だった言葉「不可逆」の意味は、再びもとの状態にもどれないこと

マキさんは、義父から逃れるため・賠償金の請求を止めるため(❓)に、法律を犯す方法で“人生やり直しスイッチ”を押しました。
でもそれからの日々は常に心の裡に秘密を隠していかなければならないものでした。

別府さん(松田龍平さん)が、ドーナツホールのみんなに言ったセリフが心強かったです。

「僕はみなさんの ちゃんとしてないところが好きです。

たとえ世界中から責められたとしても

僕は全力で みんなを甘やかしますから」

完璧でなくても良い、失敗した過去があっても良い、今の自分が最高の自分でなくても良い、オトナは年齢的にもいろんな坂道を経験しているんだもん、黒歴史があっても不思議じゃない。

RPGみたいにリセットして“人生やり直しスイッチ”を押さなくても大丈夫。
生きていきましょう‼

ありのままの自分を受け入れてくれるドーナツホールみたいなメンバーとこれから先の人生で出会えた時、素直に飛び込んでいける自分でいたいですね。

脚本家と演出とプロデューサーとキャストのカルテット

『カルテット』公式サイトの現場レポート
http://www.tbs.co.jp/quartet2017/report/

こちらを見ていると、脚本家の坂元裕二さんの素晴らしいストーリーを引き出すために、演出家の土井裕泰監督の力も不可欠。文章だけのイメージを映像にする才能もとても重要なことが分かります。

また、プロデューサーの佐野亜裕美さんの全体を見極めて判断する力(時間軸のズレやパラレルワールド説が過熱した時の迅速な謝罪ツィートしたことも含)。

坂元さんの脚本、土井監督、佐野プロデューサーと、そして魅力的なキャスト陣が奏でる極上の四重奏(カルテット)。

きっとどれが欠けても、これだけ視聴者を夢中にさせるドラマにはならなかったと思います。

私は昔から坂元さんの脚本が大好きなので、こうして最高のキャストやスタッフさんで作り上げて頂いたことに心から感謝しています。
本当に楽しめました‼

放映後に遅くまで『カルテット』のハシュタグを追って、みんなの考察を読みながらミゾミゾして楽しんでいた為、なかなかブログの記事には手がつきませんでした。簡単な言葉では語りつくせないぐらい、奥が深かったからです。

センキュー、カルテット‼

【パセリの役割】時間軸のズレ説とパラレルワールド説

最終回まで見た今となっては、

  • 時間軸ずれてる(入れ替わる)説

  • パラレルワールド

第7話ドラマ放映後、日付が変わるまでTwitter考察し合って盛り上がっていた頃が懐かしい&ミゾミゾしていた時間が愛おしいです。

結果的に、佐野プロデューサーの謝罪ツィートで視聴者の頭はキレイに切り替わり、以降はこの話題をする人はいなくなりました。

でも、単なる小道具スタッフのミスとは思えない不思議なことが随所にあったことも確か。

↓詳しくはこちらでまとめています。

パセリ…のような役割だったのでないかと、私は秘かに思っています。

つまり演出のひとつかな、と。アリですよね。楽しめました(^^♪

私の『カルテット』ツィートまとめ









他にもたくさんツィートしていますので、また覗いてみてくださいね。


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